2026年5月06日
動脈硬化の検査方法は4つ
(1)ABI(Ankle-Brachial Index:足関節上腕血圧比)
血液が足先まで流れているかどうか(≒血管の詰まり具合)を評価する検査です。足首(Ankle)と上腕(brachial)の血圧を同時に測定し、その比率をABIとして算出します。簡便に測定できるため、健診等で広く普及している検査です。
通常、足の血圧の方が手の血圧よりも少し高いため、ABIは1.0を超えます。正常値は0.91~1.40とされています。これを下回ると足の動脈が細いまたは詰まっている可能性が、これを上回ると高度の動脈硬化(石灰化)の可能性が、あります。
(2)頸動脈エコー
血管の厚さを直接観察する検査です。左右の首にある動脈に超音波を当て、決められた場所の血管の厚さ(IMT)を測定します。専用のエコーが必要ですが、ABIに次いで簡便に測定できるため、多くの医療機関で測定されています。
IMTが1.0㎜以下は正常です。1.1㎜を超えると「動脈硬化の徴候あり」です。わずか0.1㎜の違いですが、統計的には将来のリスクを左右する大きな違いです。1.5㎜を超えると「プラーク(粥腫)であり一段と注意を要する状態」と判断されます。
(3)眼底検査
体の中で唯一、動脈を直接観察ことができるのが「目の奥(網膜)」です。この検査により、動脈硬化の具体的な進展具合が評価されます。他の検査に比べて手間はかかりますが、それ以上のメリットが大きい検査です。特に、糖尿病がある方は必須の検査と言えます。
(4)FMD(Flow-Mediated Dilation:血管内皮機能検査)
腕の動脈を5分間圧迫し、開放後に「動脈がどれだけ広がるか(動脈の柔軟性予備力)」を評価する検査です。動脈硬化の初期段階をとらえることが期待されている検査ですが、特殊な装置が必要であるため、ABIや頸動脈エコーほど普及していません。
7.0%以上が正常ですが、4.0%未満になると血管内皮機能不全(動脈硬化の初期段階)が疑われます。
血管年齢って、どうやって推測しているの?
血管年齢って、どうやって推測しているの?
ABIを測定する際に、自動で測定されるbaPWV(またはCAVI)という数値を用いて算出しています。
この数値は「年齢に応じた血管の硬さ」と関連があることが判明しており、これを解析したものを「血管年齢」として皆様にお知らせしています。
当院を含む多くの医療機関ではbaPWVまたはCAVIを用いて血管年齢の測定を行っております。現在のところ、この数値以外で実用化に耐えうる血管年齢の推測方法はありません。
※現時点で広く一般的に行われている検査を挙げました。これら以外にも、すでに実用化され普及しつつあるものや実用化目前の新しい検査が数多く存在します。
※それぞれの検査は「詰まり」「厚さ」「柔軟性」など、異なる視点で血管の状態をチェックしています。そのため、どの検査が優れているというわけではなく、目的に応じて使い分ける(あるいは組み合わせる)ことが大切です。