2026年6月02日
スマートウォッチの利点
Apple Watchなどで脈の異常を指摘され、来院される方が増えています。
最大の利点は、肌身離さず装着しているため「自覚症状がない不整脈」や「時々しか出ない不整脈」を逃さずキャッチできる、ことです。
スマートウォッチの精度は?
いかにして”きれいに記録するか”にかかっています。きれいに記録されれば、病院で行う心電図と遜色はないです。しかし、実際の現場で、そこまできれいに記録された心電図は、数えるほどしか見たことがありません。
現状、きれいに記録が出来ていれば精度は高い、という曖昧な答えしか言えません。
スマートウォッチの弱点
我々(とくに循環器専門医や不整脈専門医)は、心拍数だけではなく、1拍ごとの心電図波形そのものを見ています。
心拍数は数値化されるため人間でも機械でも評価は容易です。1/100秒単位で評価を行うこともあるため、症例によっては機械の方が正確かもしれません。
一方、心電図波形そのものは数値化が難しく、見た目だけで判断するしかありません(いちおう数値化されていますが、項目が多すぎて、逆に混乱を招くことがあります)。たとえばノイズなど記録不良によって心電図波形そのものが乱れている場合の分析や判読は、我々(とくに循環器専門医や不整脈専門医)の方が優れていると思います。
また、スマートウォッチを過信することで「深刻な不整脈を見逃す」ことや、スマートウォッチからの通知を気にしすぎて「不安を煽られる」側面があることを知っておくべきでしょう。
正しく使ってください
「すべての不整脈がわかるわけではない」、「過信しない」、「スマートウォッチは診断を下す医療器具ではない」ことを忘れないでください。
我々(とくに循環器専門医や不整脈専門医)にとってスマートウォッチで得られるデータが診断の大きな手がかりになることは間違いありません。通知や数値で自己判断せず、そのデータを保存して当院へご相談ください。 専門医の視点でデータを分析評価し、適切な診断と治療に繋げていきます。